プロジェクト管理成功の秘訣とは
プロダクト管理を成功させるためには「誰が」「何を」「いつまで」にするのかを常に明確しておくことが大切です。
プロジェクト管理成功の秘訣
プロジェクトとは、何らかの目的を達成するための計画を指します。その目的達成のために計画立案や進捗チェックを行うのが、プロジェクト管理です。
プロジェクトを取り巻く状況は変化し続けます。例えば・・・
- 商品テストの結果、改善すべき項目が多数発見されたのでテスト期間を延長した
- 必要な部品の入荷が遅れ、製品の量産時期がずれ込んだ
- 他部署からプロジェクトメンバーの増援が予定されていたが、他部署の事情で延期になった
このように事前予測やコントロールが難しい状況で目的を達成するためには、常に現状を把握してタスク・スケジュールの調整を続けなければなりません。
- 必要なタスクを、そのタスクにふさわしいメンバーに割り当てる
- 納期までにすべての作業が達成できるか、進捗を確認する
- スケジュールが遅れている時に、その原因を見極めて対処し、遅れを取り戻す
- スケジュールの遅れが取り戻せない場合、締切の延期を提案する
これらの調整を円滑に進めるために、「誰が」「何を」「いつまで」にするのかを常に明確にしておく必要があるのです。これがプロジェクト管理成功の秘訣です。
あるべき状態 |
望ましくない状態 |
|
誰が(Who) |
タスクを実行する人、責任者が明確 |
誰がタスクを実行するのか分からず放置される |
何を(What) |
タスク閉じて実行すべき内容が明確 |
何を実行すればいいかタスクの内容が曖昧で、進められない |
いつ(When) |
いつまでにタスクを実施するのかが明確 |
期限が決まっていないので、後回しにされてしまう |
Backlogを使いこなし、プロジェクト管理を成功させましょう!
Backlogにおけるプロジェクト管理の流れ
以下のように進めることで「見通しのよい状態を維持」できます。
1.プロジェクトの目的を明確にする
そのプロジェクトが何を達成したいのか、目的を明確にしましょう。プロジェクト全体の指針であり、プロジェクト管理者の意思決定の基準のひとつとなります。言い換えれば、プロジェクトで何らかの判断を行う時には、「それが目的達成に貢献するか」を考えましょう。
目的が曖昧だと、計画の具体化や、プロジェクトの進行中の意思決定、プロジェクト終了後の検証が難しくなります。なお、目的を定めるときは、できれば具体的な数字を含めるようにしましょう。
目的が明確になったら、Backlogにプロジェクトを作成し関係するメンバーをプロジェクトに招待しましょう。具体的な手順は、プロジェクトを作成しようをご覧ください。
プロジェクトの目的は全てのメンバーが知っておく必要があります。プロジェクトの目的をチームに共有するために、BacklogのWikiを活用しプロジェクトの目的をメンバーに伝えましょう。
2.目的達成のための手段とタスクをリストアップ
次に、目的を達成するために必要な手段を考えましょう。
例)
目標:12月までに新商品を発売し、売上○○円を達成する
手段1:リサーチを踏まえたキャッチーなパッケージデザイン
手段2:主要メディア○○社への広報
手段3:製造コスト○○%削減
目的と手段が決まったら、手段ごとに目的を実現するためのタスクをリストアップしましょう。そして、着手する順番や内容に応じてタスクをカテゴリーでグルーピングして、Backlogに課題として登録しましょう。タスクを行う時期に応じて、プロジェクトをマイルストーンで区切るのも有効です。
Backlogの以下の機能を活用すると、タスクを整理する際に便利です。
- 内容:種別、カテゴリ
- フェーズ:マイルストーン
詳しくは、種別・カテゴリ・マイルストーンを設定しようをご覧ください。
3.担当者を割り振る
「誰が」「何を」担当しているかが明確であることがプロジェクトを円滑に進める秘訣です。タスクには必ず担当者を割り振りましょう。
4.定期的に進捗確認 / 5.発生した問題に素早く対処
実際の作業に入ったら、必ず定期的にプロジェクトの状況をチェックしましょう。Backlogの以下の機能を活用すると、プロジェクトの現状を素早く把握することができます。問題を発見したら、タスクを調整して、素早く問題に対処しましょう。
- それぞれのタスクの状況をチェック → 検索をマスターして、課題を素早く探し出そう
- 全体のスケジュールをチェック → ガントチャートで、スケジュールを確認・調整しよう
- マイルストーンごとの進捗をチェック → バーンダウンチャートで、進捗を可視化しよう
- メンバーの負荷をチェック → メンバーのガントチャート
メンバー個人で行うこと
Backlogによるプロジェクト管理の基本となるのは、メンバー各人がBacklogを確認し、課題を更新する習慣を付けることです。短い時間で構わないので、1日1回、必ずBacklogを開き、自分が担当している課題をチェックし、更新しましょう。
チームで行うこと
定期的にチームで状況を確認する場を設けることで、プロジェクトの進捗や問題点の共有がスムーズになります。また、メンバー全員がBacklogを確認する習慣を身につけるためにも有効です。少なくとも1週間に1度は、チームメンバーで顔を合わせ、Backlogを見ながらプロジェクトの状況を確認しましょう。
以下のポイントを意識すると、ミーティングを効果的に進めることができます。
- 進捗確認は時間厳守で、短い時間で行いましょう。長過ぎる会議は生産性を下げ、メンバーの負担にもなります。メンバーの人数やプロジェクト規模にもよりますが、原則30分以内を目安にしましょう。
- 問題を発見した際にその場で議論を始めると、他の課題の進捗確認が滞り、会議時間が長くなります。その議論に関係ないメンバーの時間拘束を避けるためにも、ディスカッションの場は別途設定するようにしましょう。
- 進捗確認は、責任を追求する場ではありません。問題を発見しても、メンバーを責めたり非難するのはやめましょう。むしろ取り返しがつかなくなる前に問題を発見できたのは良いニュースだと捉えましょう。
振り返りと改善
プロジェクトの問題を早期発見し素早く対処するためには「振り返り」が有効です。振り返りとは、プロジェクトの内容や進め方を評価し、そこから改善できるポイントを見つけて未来に活かすための活動です。定期的に振り返りを行うことで、普段の進捗確認では気づきにくい問題を発見したり、プロジェクト管理の改善に繋がります。
振り返りの頻度は、1〜2週間に1回ほどがおすすめです。振り返りに慣れるまでは、1週間に1度実施して、リズムができてきたら、頻度と時間を少し減らすと良いでしょう。
振り返りのフレームワークとしてよく使われるのが、KPT(Keep / Problem / Try)です。KPTは、以下の3つの項目に分けて現状を振り返り、問題の可視化と改善に繋げます。
- Keep : 良かったこと、続けたほうが良いこと
- Problem:困っていること、不満に感じていること
- Try:次に試してみたいこと
進め方としては、Cacooのシートやホワイトボードと付箋紙を用意し、メンバー各人が現状について感じていることや、やってみたいことを、思うままに書き出してもらいます。そして集めた付箋紙を、KPTに分けてホワイトボードに貼り付け、ディスカッションします。最後に優先度を付けながら、具体的なアクションを決めます。
KPTによる振り返りの際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 振り返りを書く時間、議論の時間、まとめの時間をきっちり設定し、時間通りに終わるようにしましょう
- 多様な視点や少数意見が、思わぬ改善や問題の発見に繋がります。メンバー全員が発言しやすい雰囲気を心がけましょう
- ProblemとTryは改善のヒントに繋げましょう
- すべてのProblemの解決やTryの実施ができるわけではありません。緊急性や実現可能性を意識しながら、優先度付けしましょう
- Keep(良かったこと)の発見もプロジェクトにとって重要です。Problemだけに気を取られず、チームの良い点にも目を向けましょう
この他、振り返りのフレームワークには、YWT(やったこと/わかったこと/つぎにすること)や、Fun/Done/Learn(楽しかったこと/やったこと/学んだこと)などがあります。プロジェクトやメンバーの状況に合わせて、色々な振り返りの手法を試してみましょう。